シルエットで撮る
前回は斜光の美しさをお見せしたが、逆光の空をバックに撮ると当然ながらシルエットになる。普通は嫌がる光線だがこれも利用の仕方で木の特徴を際立てる道具になる。 木の特徴がもっとも現れるのは葉を落とした冬の木立である。最初の例は形の面白さで見せるものだが竹箒を逆さに立てたような細長いサルスベリの並木の枝ぶりが主題である。全体に同じ形の繰り返しでパターンになっている。こんな時パターンを壊す余計なものが写り込まないようにカメラアングルを工夫する。(この場合邪魔な電柱をなるべく木の影に隠すように) シルエットを引き立てるために日没時の空の色のグラデーションを利用した。 樹形は勿論大事だが同じように大切なのはバックになる空の表情である。これによって写真の雰囲気が決まってくる。次の二例は小さなハンノキだが夕焼け雲や夕日そのものが決定的な役割を演じている。 次の例は旧家の屋敷門脇に立つムクの大木である。20m以上もあるこの木はさいたま市の天然記念物に指定されている。春先のまだ芽吹く前、独特の丸い樹形を沈む太陽をバックに撮った。 逆光でなければシルエットにならないわけではない。次の例は同じムクノキだが左手のウメノキともども朝霧のためにシルエットに見える。 次も同じ朝霧の風景であるが順光であるにかかわらず霧で手前の夫婦松にはまだ陽が当たっていないのでシルエットになった。霧のためにバックは単純化され松は浮き上がってみえる。 これも朝霧の撮影、公園の池畔に立つ芽吹き始めたヤナギの木立。霧のためにシルエットの濃淡で遠近感が描出され、淡い色彩にも助けられて柔らかな早春の雰囲気が出たように思う。
by namiheiki
| 2008-12-13 16:01
| デジカメ談義
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