引算・その2

前回ご覧に入れたような霧、雪はそう簡単には出会えない。今回は普通の条件でも光の工夫次第でバックのごちゃごちゃを省略することが可能であることを紹介したい。古いアルバムからひっぱり出した画像も混じるが個々の例を挙げてみる。


さくら(Apr.'03) 桜や梅のように明るい花は暗いバックで引き立てる。暗いバックは半逆光で得られやすい。川面に垂れる桜の枝、向う岸は影になっている。このような条件を満たすのは朝夕の斜光である。トップライトの日中は向かない。
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ニリンソウ(May'03) 画面に占めるバックの割合はは少しだが暗いバックを選ぶことで踊るようなさまざまな花の形がくっきりと浮かびあがった。白い花の場合はコントラストをつけることで容易にバックを黒く出来る。バックに黒い紙を利用する人もいるが、不思議なものでそういう写真は自然の雰囲気が出ない。同じ黒でも空気感がないからだろう。
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赤のハナミズキ(Apr.'03) 花曇りの日で柔らかい光がすみずみにまわっていた。グレイのモルタル壁をバックに低い位置にある形の良い一枝を狙った。思いがけず日本画風の写真になった。こういう写真は影が出るとぶち壊しになる。またバックのモルタルの質感が出てはいけない。ぼかして適度に殺すように計算する。
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ヒガンバナ(Sept.'03) 水面はきれいだしこれを利用するとバックを単純化出来る。色彩的にも赤い花にはよく合う。もっとも水際に生える花という制約はある。そういう花は水辺を歩いて足で探す。この写真は用水路の金網の目にレンズを差し込んで撮った。おかげで蝶にも逃げられなかったし手ブレも防げてじっくり撮影が出来た。
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スズラン水仙(Apr.'05) いよいよ良いバックが見つからない時は思い切って空をバックにする。奇をてらった感もなくはないが、スカっとした写真になった。この場合露出は多めにかける。でないと花が黒くつぶれてシルエットになってしまう。本当はレフを使うといいのだろう。下向きに咲く花は意外に多い。空は何処にもあるが、空には電線があるので気をつけたい。もっとも多少の写り込みはレタッチで修正出来る。低アングルだから背の低い花は普通のカメラではファインダーを覗けないし無理だろう。
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白いハナミズキ(Apr.'05) ハナミズキは枝先に上を向いて咲くから高い位置からの撮影が原則だがなかなか良い場所が見つからない。空をバックにあえて逆光で狙ってみた。白い花びらが透過光で輝いて意外にきれいに撮れた。雲を配してアクセントをつけた。
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コスモス(Oct.'03) 季節外れで恐縮だが空と言えばこの写真を取り上げないわけにはいかない。コスモスには何と言っても青い空がよく似合う。青い空に白い雲が流れてきれいな空だった。コスモスのブッシュにカメラを突っ込んで低アングルで闇雲にシャッターを切った。風の強い日だったが幸い画像は止まってくれたようだ。おまけに予期しない蜂まで写り込んでいた。絶え間なく風で揺れる被写体は揺れ戻る瞬間が一瞬停止する時だ。
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要は光と影をうまく使うことである。大抵の人は無意識にやっていると思うが、天候や時間、太陽光の角度をあらかじめ予測して撮影のプランを立てるのも楽しみの一つだろう。
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by namiheiki | 2005-05-10 21:57 | デジカメ談義
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