パターンで撮る

着物や洋服の柄もそうですが繰り返しの模様は整列感、一体感、リズム感、永続性、無限性といった印象を呼び起こします。ウェブページでもよく使われる壁紙などその一例でしょう。自然や街中にこうした規則性を見出し、切り取って見せるというのはスマートな写真を撮るコツのように思われます。

しかし写真として一番大事なのはパターンそのものと言うよりパターンの中に何を表現するかでしょう。時には単調なパターンを破るポイントの導入が効果ある場合もあります。具体例で説明するのが分りやすいでしょう。厚かましいのですが拙い私の過去の作例を使って説明することにします。

初霜
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晩秋の冷え込んだ朝、整地された休耕田に真っ白な霜が降りた。昇る朝日が木柵の影を斜めに投影する。田の畦、整地面の直線、木柵の影が清々しい清涼感を与えてくれた。紅葉した小さな園芸林がポイントになった。


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柔らかな雪面に落ちる冬姿の木立ちの影、よくある写真だが雪で単純化された地表に落ちる枝の影の曲線と濃淡がパターンになって雪面の柔らかな曲面を表現してくれた。雪上の野うさぎの足跡もポイントだ。

田植えの後
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初夏、田植えを終えた田に鳥達は集まる。直線的な稲苗の列、それを横切るカルガモの列、直裁で気持ちの良いパターンになった。

防鳥ネット
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秋、実った米を小鳥から守るオレンジ色のネット、逆光に輝くネットは規則的なきれいなパターンを見せる。遠近感も出してくれて好きな被写体の一つだ。

いわし雲
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秋のいわし雲はパターンの典型で誰が撮ってもきれいなパターンが撮れる。これは逆光で空に幕を引いたような一風変わった絵になった。雲を撮る時は僅かにシルエットで入れる地表の風景にも気を配りたい。

晩夏の土手
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9月の荒川土手、土手の斜面は一面のエノコログサだった。半逆光で光る穂は美しい。でもそれだけでは単調だ。点在する赤い彼岸花が単調を救ってくれた。それでも不満だった。同じ場所で自転車の女学生を撮って後で嵌めこんだ。

森のシャンデリア
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下向きに光る白いエゴの花は辺りを明るく照らす。花の配列に一見規則性は無いように見えるが、アングルの取り方で枝の方向性や奥行きを出すことが出来る。

チカラシバ
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日頃は憎々しくはびこるチカラシバだが、朝露で化粧した時は何処の妖精かと訝るほどだ。群生する植物はみな同じ形の繰り返しだからパターンと言って良い。どうしたら奥行きと広さを出せるかだ。この写真では僅かだが上部に入れた遠景が奥行きを与えてくれた。

大藤
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藤棚の斜交する直線が基調となって藤の花房が織りなす模様が生きた。この場合は下部に小さく人影を入れることで広さと奥行きが出せたと思う。

「角を矯めて牛を殺す」の譬えもあります。気をつけなければいけないのは形に囚われて内容を忘れないことです。
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by namiheiki | 2005-06-28 13:47 | デジカメ談義
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