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雲を撮る

雲には夢がある。ドラマがある。地球には水があって空気があるから雲が出来る。その姿は人が感じるよりずっと早く、命あるもののように刻々と変化している。
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そんな雲を撮らない手はない。雲を撮るコツはタイミングである。何時もデジカメをポケットに入れておいてあっと思った時にシャッターを切る。これが基本である。空は広いからカメラは出来ればなるべく広角のものが欲しい。例によって厚かましく私の作例でお話をさせていただくが、これはお手本というわけではなく、あくまで話の材料として挙げているに過ぎないことをご了解願いたい。

夕焼け雲
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夕焼け雲は最高のテーマである。何時も美しい夕焼けが見られるわけではないが、それだけに美しい夕焼けに出会った時は嬉しい。太陽が沈んだ後の30分位が狙い時である。雲の色や形は刻々と変化するから一発で満足することなく何枚も撮り続ける。そしてベストの一枚を選ぶ。太陽が無ければ露出にあまり気を使うこともない。私は中央重点測光を慣用しているが、この作例では画面のほぼ中心で測光している。構図で注意すべきは必ず地上の風景を少し入れる。多くの場合シルエットになるが、これによって画面の奥行きと物語が生まれる。だから地上の形も大事である。しかし多過ぎると肝心の空が精彩を失う。

北風
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長い夏も終わり秋がしのびよる。強い北風に乗ってちぎれ雲が飛ぶ。風を表現するために風になびくエノコログサを前景に入れた。風の強い日には空気が澄んでいる。太陽の強い光にまともに向き合うアングルだが、このような時は太陽を画面に入れないで空の明るさを測光する。当然太陽は真っ白にとんでしまうがそれでよしとする。この写真では太陽をなるべく草陰に隠すようにした。測光時に太陽を入れると露出不足で真っ黒な写真になってしまうから注意する。

落日
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薄雲が太陽にベールをかけてくれる時がある。こんな時は安心して太陽を入れることが出来る。写真は望遠で雲の輝く部分を切り取った。

黄昏
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何とも掴みどころのない夕暮れの風景だがたまたま通りかかった飛行機が単調を救ってくれた。飛行機雲が空を切り裂いてきりっとした緊張感で画面を引き締めた。飛行機雲は何か旅愁やロマンを感じさせるものがある。

アフタグロー
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気象条件によって夕焼けの色は様々に変化する。夏の日の夕暮れ、異様に赤く染まった雲を見た。夕焼けは空気の澄む秋とか冬がきれいというのが通り相場だが、意外と夏がダイナミックで変化に富んでいる。

雨上がり
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黒く沈む地上の風景の単調を救う一つの方策は水を入れることである。水面は空を映してくれる。写真では大雨の後、冠水した畑の水溜りが地上のディテールを描写してくれた。

いわし雲
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初秋のいわし雲は美しい。中空にかかる雲は夕焼けと違って地上部が入らない。とっさに近くにあったキクイモの花のそばにかがんだ。空をバックに花を入れるのは意外と難しい。シルエットにならないように順光線を選ぶ必要がある。ピントは花と雲の両方に合うように花からはある程度離れる必要がある。花は点景で主体は雲である。

驟雨
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驟雨をもたらす真夏の入道雲、超広角レンズが要る大きさだ。出来れば落雷の光を入れたかったのだが・・・

梅雨明け
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最後に山の雲をひとつ。山は高いから雲も近くて澄んで見える。低地では見られぬ雲の姿がある。山に行ったから山だけに眼を奪われるのでなく空にも気を配りたい。

そういえば朝の写真が一つも無かった。私が朝寝坊というだけでなく、昼間の温度上昇のためか総じて朝よりも夕方の方が雲の形がダイナミックだと思う。朝の雲は総じておとなしい。
by namiheiki | 2005-08-08 12:55 | デジカメ談義
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