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知床の旅

名古屋にいる息子がこの夏北海道に行かないかと言う。北海道は何度か行った事があるが、知床と利尻はまだ行っていない。世界自然遺産になったことだし知床が良いということになった。旅行の手配はすべて息子がやってくれて我々夫婦は全部おまかせで息子の言いなりについて行くだけでよかった。こんな旅行は生まれて始めてだった。年を取ったということか。

7月1日、女満別空港は厚い雲に覆われていた。予約していたレンタカーに乗って息子の運転で走り出した。息子の運転はカーナビに目的施設の電話番号を入れてエアコンをオートにセットして完全に車まかせである。なるほど”自動車”とは良く言ったものだ。道は広く車も少ない。アメリカかヨーロッパの田舎のような気分だ。かって幼い息子を乗せてアメリカを東から西まで走りまくったこともあったなあと感慨深い。あの1953年型ダッジは錆びた床が抜けそうで隙間風が入るので隙間にティッシュを詰めて走ったっけ。そうそう助手席のドアノブも壊れていて開いてしまうので紐でくくりつけていたな。

空港を離れるとすぐに広漠とした麦やビートの畑が波のように広がり畑を区切る背の高いエゾマツの直線的な列が目を惹く。途中アカシアの花が咲き乱れ白い花が道路に敷き詰められ見事だった。でも自分で運転している訳ではないのでいくら息子でも写真を撮るから停まってくれとは言い難い。そのうちまた見るチャンスもあろうと諦める。今のカーナビは目的地を入力すると予想到着時刻が出るがこれは時々刻々修正されるようになっている。スピードを上げるとどんどん到着時刻は繰り上がっていく。予定より早く第一目的地の小清水原生花園に到着した。

小清水原生公園
車を降りると外の寒いのに驚いた。小雨混じりの強い風が吹き気温は10℃位だろうが体感温度ははもっと冷たく感じた。ハマナス、エゾキスゲ、エゾスカシユリ、センダイハギ、シシウド、ハマエンドウなどの花々が千切れそうに風に靡いていた。オホーツク海の荒波が打ち寄せて時折オオセグロカモメが灰色の空を横切った。冬にはオホーツクの流氷がの海を埋めるのだろう。北の果てに来たという実感があった。原生花園は濤沸湖とオホーツク海の間の草原の自然がそのままに保存されていて花園と言っても人が入れるのはごく一部である。大部分は有刺鉄線がめぐらされていて一般の人は立ち入ることは出来ない。逞しい野生の道産子だけが自由に草を食んでいた。寒さと風を避けてか馬達はひとかたまりに寄り添っていた。

オホーツク海の荒波とオオセグロカモメ
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エゾキスゲ
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エゾスカシユリ
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ハマナス
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ハマエンドウ
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濤沸湖と花園の道産子たち
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丁度釧網線の一両仕立ての電車いやジーゼルカーがやって来て季節限定のおもちゃのような原生花園駅に停まった。これで釧路まで乗ってみたいと思った。
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海岸線沿いの国道をホテルのあるウトロへ向う途中、オシンコシンの滝を見物した。かなりのスケールの滝で途中から二つに分かれているので双美の滝とも言う。オシンコシンはアイヌ語で「エゾマツが群生するところ」だそうだ。このように知床の滝は海岸近くの断崖から海に流れ込むものが多い。海からすぐに山になる地形だからだ。此処から10分はど走って宿のあるウトロに着いた。
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知床で遊ぶ
翌2日は朝から快晴だった。波もあるとは思えなかったが予定していた観光船は欠航だった。世界遺産の名に押されてかすべてが慎重に運営されているようだ。楽しみにしていた知床五湖もヒグマ出没の情報がありハイキングコースは閉鎖されていた。カムイワッカの滝へのリムジンバス道もがけ崩れで閉鎖だった。やはり世界遺産なんだなあと妙なところで感心した。実際、遺産に指定されている知床半島の北半分はほとんど道も無く秘境と言って良いところだった。将来的にも開発はご法度なのだろう。

その日はウトロの港にあるオロンコ岩の展望台に登った。100メートル近い高さの巨岩に刻まれた石段を巻くように登りつめると平らな草原に出た。ここにはエゾカンゾウを主体にヒオウギアヤメ、ヤマブキショウマ、クサフジなどが咲いていた。眼下にはオホーツク海が渦を巻き、岸壁はオオセグロカモメの群生地になっていて絶えずカモメが飛び交っていた。遠くには羅臼岳から硫黄山に連なる残雪の峰々が連なって見えた。

岩壁を覆うエゾカンゾウの群落
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エゾカンゾウ
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ヒオウギアヤメ
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クサフジ
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ヤマブキショウマと知床連山
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知床自然センターから20分ほど森の中の道を辿ると突然視界が開けフレペの滝の見えるプユニ岬の展望台に出た。200メートルの断崖から海に落ちるこの滝は薄い水の幕を張ったように繊細で美しい。意味は分からないがフレペという語感もロマンチックだ。”乙女の涙”というロマンチックな名前がつけらている。不思議な事に断崖の上は草原で遊歩道になっていて川は無かった。これは地下水で出来た滝なのだ。

プユニ岬、正面の断崖はウミウの営巣地になっており日陰になっている右下にフレペの滝が見える。
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乙女の涙と形容される繊細なフレペの滝
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ドライブの途中、道の傍らにしばしば野生のエゾシカを見かけた。この時期、雄ジカは角を落としているので雌との違いがよく分からない。本土(北海道の人はこう呼ぶ)のニホンシカと同じ種類らしいがここでは環境が良いので五割かた大きくなるのだそうだ。

エゾシカの群れとバック右は羅臼岳
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羅臼岳の麓にある岩尾別温泉への道を辿る。終点にホテル地の涯という大そうな名前のついた宿が一軒あった。ここから羅臼岳への登山道がある。反対の沢道に沿って進むとかなり大きな滝に突き当たり、手前に滝見の湯という立て札があって小さな露天風呂があった。意外にも水着のご婦人が一人湯浴みしていた。ご婦人は悪びれることなく軽く会釈した。小径の傍らにはフタリシズカ、トリアシショウマ、セリなどがひっそりと清楚な花をつけていた。

トリアシショウマ
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フタリシズカ
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この日は半島の反対側、羅臼に宿を取ってあるので羅臼岳の肩にある知床峠を越える。峠からは羅臼岳が目の前にあり路肩には残雪も見られた。車が知床峠を過ぎて少し下ると前方に根室海峡が開け、あっと思うほど近くに長い国後島が横たわっていた。あれがロシアかと複雑な感慨がこみ上げた。
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羅臼の町にて

羅臼の町はひっそりしていた。丁度羅臼神社のお祭りだと言うのに町は人影まばらだった。港の見える小さな公園に菅笠を被った森繁の銅像と知床旅情の歌碑があった。お祭りで漁は休みなのだろう。港に繋がれた小さな漁船には日の丸と大漁旗が掲げられていた。港のすぐ向こうには国後島が間近に迫っていた。
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海べりの巨岩の下の薄暗い洞穴の中にヒカリゴケが自生していた。金緑色に光る苔は発光しているのではなくて原糸体という器官が光を効率よく反射しているのだそうだ。ヒカリゴケ科ヒカリゴケ属のコケで、1目1科1属1種、絶滅危惧I類(CR+EN)に分類されている、原始的かつ毀弱で貴重なコケ植物ということである。

ヒカリゴケ
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岩の斜面にはマンネングサや名の知れぬ植物がしがみつくように咲いていた。意外にもこんな海岸の岩にヤマブキショウマが群生していた。この日は羅臼温泉の宿に泊まった。静かなこの宿では晩餐に嫌と言うほどタラバガニや毛ガニが出た。
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7月3日は相変わらず快晴、やっと観光船も就航するというのでウトロまで戻る。途中知床峠の手前で羅臼湖まで小さい沼を繋いで2キロほどの山道の入り口があった。周辺にはエゾハコベ、ウマノアシガタ、ミツバツチグリなどが黄色い花をつけていた。湿原はきっと高山植物の宝庫なのだろう。しかし道の整備は悪く雪融けでぬかるんでおりとても短靴では歩けなかった。残念ながら諦めて中途から引き返す。

羅臼湖入り口から見た羅臼岳
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エゾハコベ
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ウマノアシガタ
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ミツバツチグリ
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知床観光船で
ウトロの港にはこんなに観光客がいたのかと思うほど人が行列していた。観光船は半島の中ほどにあるカムイワッカの滝までの往復1時間半、半島に沿って海から断崖や海に落ちる滝を見物することが出来る。カムイワッカの滝は硫黄山から流れ落ちる湯滝で最も大きい。フレペの滝を始め多くの滝は岩からしみ出る川の無い滝だった。断崖の岩には至る所にオオセグロカモメやウミウの営巣が見られた。
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フレペの滝
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岩壁から溢れ落ちる大小の滝たち
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カムイワッカの滝と硫黄山
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ウミウの営巣地
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オオセグロカモメの営巣地(オロンコ岩)
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往路の逆を辿り網走に向う。小清水原生花園は二日前とは打って変わって陽光の下にあった。濤沸湖の先には秀麗な斜里岳が長い裾野を伸ばしていた。道産子の馬達がのんびりと草を食むのどかな風景だった。10月から5月まで白鳥の飛来地になるそうだ。
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網走にて

網走の宿は天都山の近くの高台にあった。近くにアカシアの林があって白い花が爽やかに咲き乱れていた。念願のアカシアの花を堪能した。
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翌日は天都山展望台からの眺望を楽しんだ後、博物館網走監獄を見学した。百年以上も前網走に造られたこの監獄は北海道開拓の歴史と切り離す事は出来ない。鎖に繋がれ苛酷な道路工事の労務で死んだ囚人は道路わきに埋められ鎖を目印に置いたという。鎖塚として知られる。1973年に建物を新築し、旧監獄や関連の施設を天都山の麓のこの場所に移築保存した。

網走刑務所の看板のある煉瓦造りの正門を入るとすぐに池をまたぐ木橋があって、池は睡蓮で埋め尽くされていた。この橋はかって網走川にかかり街から刑務所への出入りに使われた。「流れる清流を鏡としてわが身を見つめ、自ら襟を正し彼の岸にわたるべし」の意から鏡橋の名が付けられたと言う。広い構内には関連の建物や展示物が散在していたが、其処此処に濃いオレンジの花が咲き乱れていた。ガイドさんに尋ねてコウリンタンポポ(紅輪蒲公英)を始めて知った。今年はとくに多いのだという。

鏡橋の下は今は網走川ならぬ睡蓮池になっていた。
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コウリンタンポポ
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女満別空港に向う旅の最後にちょっとしたハプニングがあった。ナビの指示で車を走らせて行くと網走の市内に誘導された。息子が電話番号の入力を間違えたのだ。文明の利器も過信しているととんだミスに繋がる。幸い時間に十分のゆとりがあったので引き返して事無きを得た。

景色良し、宿良し、料理良し、なみへいにはちょっと贅沢だが「なみへいの遊山」に相応しい旅だった。息子のプレゼントに感謝する。
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by namiheiki | 2007-07-17 12:15 |

奥日光・冬の一日

標高千五百メートル、四季それぞれに美しい奥日光だが冬は静かで人が少ないのが何よりだ。昔は日帰りでクロスカントリースキーを楽しんだりしたものだが今はゆっくりと温泉と散策を楽しむ。朝だけは日の出前に起き出して雪に足を取られながら湯の湖の湖畔に出る。1月の末というのに今年は暖冬で気温も比較的高く雪も少なかった。でもそれなりに静かな雪景色を楽しむことが出来た。日は男体山から昇り白根山に沈む。湯の湖周辺の夜明けから日没までの一日を映像に記録した。


未明の湯の湖北岸、僅かに風が吹き湖面に漣が立った。時折水鳥の鳴き声だけがしじまを破る。暖冬の今年は凍らぬ湖面が広い。
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湖面の靄、湯の湧く北岸の一角は例年冬も凍ることはない。
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モルゲンロート、真っ先に金精山が朝日を浴びて輝いた。左側は前白根山。
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氷の融けた湖面に映る茜雲
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湯の湖南岸、湯滝の降り口に架かる橋より北を見る。湖水はこの背後から湯滝となって戦場ヶ原に一気に流れ下る。水の流れのためにここも凍らない。
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湖面にひとつがいの色鮮やかなマガモが泳いでいた。
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湖岸のカラマツ林、雪面に伸びた影が美しい。
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葦原の枯れ色と雪面の樹の影と美しいハーモニーを奏でていた。
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長く伸びた山腹のダケカンバの影
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白根山に落ちる夕陽を浴びる男体山と日が翳って暮色迫る湯の湖
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山の端に小さな飛行機雲が・・
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振り向くと北東の空に満月に近い夕月が赤い雲に見え隠れしていた。
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Nikon D70, AF-S VR Nikkor 18-200mm
(一部は2月1,2,3日の「季節の窓」に載せました)

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by namiheiki | 2007-03-15 16:08 |

鞍馬、貴船を歩く

9月22日、洛北、鞍馬寺から奥の院を経て貴船神社へと山道を辿った。全長2キロそこそこ、標高差240メートルで年寄りにも軽いハイキングコースである。夏が終わり紅葉には間があるという時期でシーズンのような喧騒はなかった。勿論神社仏閣には見るべきものがあったが、ここでは自然の木や野草について記載することにする。
皮肉なことにここに示す野草の大部分はコースの終点貴船神社から貴船川に沿って叡山電鉄鞍馬線の貴船口に下る約2キロのバス道路沿いで出合った。バスに乗れば10分もかからずに通り過ぎてしまうところである。たまたまバスの出発時刻までに間があって歩いたのが幸いした。

鞍馬山で

鞍馬寺金堂前のヤマハギ
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山道で見かけたフシグロセンノウ
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奥の院近くの木の根道
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奥の院近くの杉木立
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山を下った所で見かけたヤブミョウガ
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貴船で
貴船川に架かる桟敷席で昼食の蕎麦をとる。この辺りモミジが多くシーズンの紅葉は見事だろう。
貴船神社参道のシュウカイドウ。 シュウメイギクはまだ蕾だった。
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貴船川の流れとイタドリ
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アカソ
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ハナタデ 小さな花はルーペがなければ見ることが出来ない。
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ハグロソウ
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スズカアザミ
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スズムシバナ かなりの数の群生だった。なるほど何となくスズムシが翅を広げた姿に似ている。
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ツリフネソウ
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ゲンノショウコ(白花)
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ゲンノショウコ(赤花)
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所変われば草花も変わる。アカソ、ハグロソウ、スズカアザミ、スズムシバナは初めて出合った(あるいは初めて写真を撮った)私にとっては珍しい花達だった。
貴船口で電車に乗った。切符売り場も無く改札口も無いので無人駅かと思ったら電車の到着時間になると駅員が現れ切符を売ってくれた。それからホームの待合室から重そうな自動改札機をよっこらさと引っ張り出してこれに切符を通せと言う。奇妙な光景だった。シーズンオフは乗客も少ないからこんな可笑しなことがある。
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by namiheiki | 2006-10-05 18:10 |

春の日光植物園

冬の間クローズしていた日光植物園が春の訪れとともに4月15日開園した。春を求めてゴーバック!ゴールデンウィーク直前の4月28日園を訪れた。初夏や秋に来たことはあるが春は始めてである。

日光連山の水を集めて奔流となって流れ下る大谷川の渓谷、憾満が淵に望む変化に富んだ広大な敷地に園はある。自然の景観を生かした環境に自然のままに高山植物を中心とする多彩な植物が息づいている。

この植物園は東京大学小石川植物園の分園として1902年に創設された。その後田母沢の大正天皇の御用邸の敷地の一部を下賜されて現在の姿になったという。約2200種の高山、亜寒帯、温帯の植物が蒐集保存されている。

園内に足を踏み入れると木々の新鮮な香りと静寂が迎えてくれる。見晴らしの良い中央の広い庭園の前には鳴虫山をバックに桜の木を配した如何にも日光らしい風景が広がっている。
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反対側に目を転ずると残雪の女峰山をバックに瀟洒な研究棟が建つ。ちょっとエキゾチックな風景である。こんな所で研究出来るなんて羨ましい。
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桜と一緒にツツジが盛りだった。ヒカゲツツジ、ナンゴクミツバツツジ、ヤシオツツジなど平地ではお目にかかれぬ種類だった。山のツツジは色が淡白、半透明で繊細な美しさがある。
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園内のいたる所に見事なニリンソウの群落が見られた。苞葉は白いだけではなく裏面に微妙な淡い紫紅の翳があって気品を際立たせている。
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ミヤマカタバミの群落も目を惹いた。同じカタバミでもどうして山の花は品があって美しいのだろうか?
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湿地の池にはちょっと遅かったが水芭蕉が咲いていた。池面をエンコウソウの強烈な黄色が彩っていた。ちょっと珍しい黄色いアメリカミズバショウも咲いていた。でもミズバショウはやっぱり白が良い。
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その他目ぼしい野草をあげてみる。
ヤマエンゴサク ケシ科で平地に咲くムラサキケマンに似るが背丈ははるかに低いし、花数も少ない。でもその色はなんとも言えず絶品である。
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フデリンドウ 春咲きのリンドウでそれも最初の一輪と見受けた。
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ハイムラサキ(這い紫)、ムラサキ科で青みのものと赤みの花が混じっているのが面白い。
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ショウジョウバカマはちょっと時期が遅く色が褪せていた。
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ヒトリシズカ 最後になったが義経の妻で数奇の運命を辿った静御前の名を冠した楚々たる花、四枚の暗色の葉に包まれて蕚も花弁も無い物悲しい姿だった。もう数日して葉が開くと優雅な舞い姿になるのかも知れぬ。
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この他カタクリ、コキンバイ、タンチョウソウ、トキワナズナ、ミツバオウレンなどもカメラに収めたが又の機会に譲ることにしよう。一日かけても園の植物のすべてをを見尽くすことは出来ない。
帰りは清滝のやしおの湯につかり快い疲れを癒した。清滝はソメイヨシノが満開を迎えていた。植物園入園料330円、温泉入浴料300円、それにビール代少々の清遊だった。
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by namiheiki | 2006-05-02 15:52 |

足跡

かみさんの歌がさる新聞の歌壇に掲載された。
    新雪の夜明けの疎林は点々と兎跳ねゆきし凹み新らし  美智子
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画像は那須高原にて '05/02/09
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by namiheiki | 2006-02-25 18:26 |

冬の鹿沢高原と塩田平

2月1日、私の住む大宮から長野新幹線で1時間10分、上田で降りる。迎えのバスで1時間、途中鳥居峠を越えて群馬県に入り、あっと言う間に雪の舞う嬬恋村鹿沢に着いた。
翌朝は晴れた。北向きのこの宿は朝日の射すのが遅い。8時過ぎやっと東の山の背後から朝の光が斜めに射し込んだ。落葉松の梢の霧氷がきれいに浮び上がった。このこんもりした山は村上山と言いこれに登れば浅間山が見えると言う。
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宿の左手の山は陽を正面から受けて輝いていた。名前を聞き漏らしたがこの反対側はスキーゲレンデになっているらしい。ベタ光線だが雪の山はそれなりに威厳がある。
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宿の周りの自然園をラッセル無しで歩ける範囲で歩く。風が吹いて木枝の霧氷が舞った。
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昼になると宿の南側の庇の氷柱から融けた水滴が忙しく降り落ちた。
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午後になって北の雲が上がり遠く草津、万座、志賀の山々が望めた。横手山が一際白く見えた。頂上のアンテナ塔が懐かしい。あの山にはその昔スキーツアーで何度も登った思い出がある。あのアンテナは50年も前からあそこにあった。
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北西の雲が切れて白い四阿山が間近に見えた。その左肩に根子岳も少しだけ顔を出している。あの辺りはよくスキーに行った菅平高原、スキーの手ほどきを受けた場所でもある。
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翌朝は朝焼けがきれいだった。嬬恋村に陽が射し込み夜が明けた。背後に遠く草津や志賀の山々が姿を見せた。ゲレンデの見えるのが本白根山である。
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天気は下り坂、昼前に山を降りた。上田駅から上田電鉄別所線の電車に乗った。かねてから訪れたいと思っていた無言館が目的だった。塩田町で電車を降りる。無人駅を出るとタクシーが一台人待ち顔に止っていた。私達が歩き出すとタクシーは私達を追い抜いて走り去った。電車を降りたのは私達だけだったのだ。小さな町を抜け広がる田畑の中を南に向うこと40分、山裾の小高い丘の上に無言館はあった。
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無言館「戦没画学生慰霊美術館」は中世の僧院を思わせるような窓も装飾も殆んど無い建物だった。コンクリート打ち放しの壁に無言館の文字が刻まれていた。人ひとりが通れる小さな
木の扉を開けると受付もなくいきなり暗い館内だった。60年前のあの忌まわしい戦争で夭折した若い画学生の作品や遺品が展示されていた。妻や家族を画いた絵に託した彼らのぎりぎりの想いが伝わって胸が詰まった。暖房も無い館内はシンとして声も無く重い雰囲気だった。数人の来館者がいたが殆んどが私達より上と思われる年配の方々だった。「また来よう」と隣に立ったご婦人が呟いた。出口に若者が一人座っていた。志をドネートして外へ出た。山から吹き降ろす冷たい風が私達に吹きつけた。翳った空から雪も舞って来た。とうとうこの日も浅間は姿を見せなかった。
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by namiheiki | 2006-02-19 16:43 |

日光に遊ぶ

紅葉のこの時期は日光のいろは坂や東照宮周辺は人や車で混み合う。人込みの嫌いな私は大谷川周辺で遊ぶことにした。大谷川(だいやがわ)は湯滝、華厳の滝、霜降の滝など日光連山の水を集めて流れ下る。流域にはゴルフ場、公園、キャンプ場などが整備されているが、まだ豊かな自然も残されている。

先週11月9日、今市の大谷橋から眺めた日光連山である。左から男体山、大真名子山、小真名子山、、女峰山で、ここからの眺めは四季それぞれに素晴らしい。右手前の里山の左裾にゴルフ場がある。画面のほぼ中央になろうか。川の反対側にはキャンプ場や公園がある。
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だいや川公園の池に映る紅葉した木々、人々は東照宮やいろは坂を目指して素通りするのだろう。ここには人影はほとんど見えない。
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秋の日暮れは早い。4時過ぎには早々と日が落ちる。明日はゴルフ日和だろう。
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ゴルフ場の簡素なロッヂに泊り、10日は朝早く起きてコースを歩く。スタートホールからは男体山が真正面に見える。中腹から下の紅葉がご覧頂けよう。一番ティーは何時も緊張する場所である。
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朝露に光る反対側の18番グリーン、こうして見ると豊かな起伏がよく分る。一昨年の日本オープンでプロを悩ませた高速グリーンである。
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各ホールの要所要所に立つコゴメヤナギの大木、樹高は高く枝は低く張り出しプレイヤーを阻む。初夏には小さな花穂がつき、やがて白い綿毛を雪のように飛ばす。
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c0068924_16433733.jpg日光を代表するイロハモミジ、赤から緑へグラデーションが美しい。

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ラフで見かけたマムシグサ、こんな自然も残っているが、こんな処へ球を打ち込んだらお手上げである。本当に蝮が出ることもあるらしい。そう言えば初夏には子連れの雉を見たことがある。猿や鹿は何度も見かけた。
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クラブハウスの脇に立つ巨大なトチノキ、大きな葉が朝日に映えて黄金色に輝いていた。このトチノキは何故かほとんど花が咲かない。栃は雌雄同株だと思うのだが。
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私はスコアにはこだわらない。勿論良いスコアが出れば嬉しいが、それよりも楽しい思い出がまた一つ増えたことが嬉しいし、一緒にプレイしてくれた人達に感謝する。そして何よりも健康であることに感謝する。
Nikon D70 18-70mm, Nikon Coolpix 5700
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by namiheiki | 2005-11-15 17:35 |

実の季節

9月も末、なみへい本来の「遊山」にもどって志賀高原に遊んだ。シ-ズンの喧騒を離れて高原は静かな佇まいを取り戻していた。紅葉にはまだ早く、花はオヤマリンドウ、ヤマハハコ、アキノキリンソウが目立つ程度だったが、よく見れば草花や木々は思い思いの実をつけて迫る冬に備えていた。実と茎葉から植物を同定するのは難しい。でも実から花の姿を想像するのは楽しいことだった。間違いもあろうかと思う。ご指摘願えれば幸いである。

イワショウブ
湿原に可愛い赤い花が咲いていると思った。でも拡大してみると赤い実だった。花序の形からユリ科のイワショウブに辿りついた。花の実物は見たことがないが、図鑑で見ると花は想像に近い白い可憐な花だった。葉がショウブに似るのが名の由来らしい。
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タケシマラン
りんごの紅玉のような瑞々しい濃赤の実が一個ずつ葉の付け根から真直ぐにぶら下がっている。上から見るだけでは葉の蔭に隠れて見落しがちになる。ランとは言うがこれもユリ科である。花自体はそんなに目立つ花ではない。
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シラタマノキ
これも白い花かと思った。しらたまは花弁ではなくガクだった。白い実はこの中に隠されている。地を這うような小さな木だった。
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ゴゼンタチバナ
葉の形からぴんと来た。6枚の葉の中心に咲く1個の気品ある白い花は花弁でなくガクの変形だった。だから一つと思っていた花からいくつもの実がつく。ゴゼンタチバナは小さいけどミズキ科の木だった。
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ツルリンドウ
特徴ある紫がかった赤色と楕円形の大きな実、葉の形。これはツルリンドウに違いない。花はこの7月に栗駒で見たばかりである。
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ヒロハツリバナ
普通のツリバナとは違って果実を包む殻が反転して四角く張り出している。赤い実がぶら下がるはずだが、もう落ちてしまったらしい。
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ナナカマド
秋の山の代名詞のようなこの木、紅葉には早かったがいたる所で赤い実をつけていた。不思議と標高の高いところほど赤が輝くように美しい。大沼湖畔に今まで見たこともない大木が立っていた。
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ガマズミ
秋の色と言ってよい鮮やかさだった。
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by namiheiki | 2005-10-02 11:06 |

三河湾

遊山なのになんで海?と言われそうだが遊山翫水とか遊山船とか言うではないか。ここは広義に山や水辺に遊ぶことと解釈しよう。

名古屋に住む息子の長男が小学校を卒業した。中学入学の祝いに名古屋を訪ねた。ついでに豊橋で新幹線を降り蒲郡に立ち寄った。国の天然記念物だという竹島は江ノ島を小さくしたような島で桟橋で繋がっている。常緑の古木が繁茂しているので天然記念物に指定されたのだろう。このあたりは遠浅の海岸でアサリの養殖場となっている。アサリ漁の舟とアサリやその他の小動物を狙って集まるカモメが絵になる風景だった。
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三谷温泉に宿をとった。100mほどの弘法山の斜面に建つホテルで竹島を正面に三河湾を一望出来る。桜には早く宿はたった四組の客しかいなかった。夜景を見ながら座敷でとる食事は最高だった。地酒をやりながら好物のアサリや大アサリを堪能した。酔いもまわって0・5秒の手持ち撮影はちょっとしんどかった。
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蒲郡の町はその昔は木綿の産地で栄えたそうだが今はすっかり寂れている。かって工業団地を造成して企業の誘致を図ったそうだが、造成が粗雑だったために敬遠されてしまったという。これは宿の送迎バスの運転手の話である。
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by namiheiki | 2005-04-03 18:26 |

冬の那須高原

2月8日ら10日にかけて那須の弁天温泉に泊まった。2泊で1万円という格安料金である。黒磯駅からバスで1時間ほど、湯元でバスはチェーンをつける。今年は例年になく雪が多い。茶臼岳基部の高台にあるこの宿は東南に広がる奥久慈の低い山々を一望出来る。

夕刻到着すると部屋の窓からは低い雪雲が雲海となって幻想的に広がっていた。中腹にあるホテルが海原に浮かぶ船のように見えた。
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翌朝は快晴、6時半に日の出を迎えた。地平線のかなたからのご来光だった。軒から下がる無数のつららに朝の光が輝いてきれいだった。とくに浴室の窓のつららはには巨大だった。年配のご婦人が窓ガラス越しにさかんにストロボをたいている。注意してあげると「どうしたらいいのですか?」と聞く。見ると最新のデジカメだったがオートにセットされていた。

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宿から5分ほど歩くと2本のスキーリフトがあるファミリーゲレンデがある。初中級者向きのスロープだが年寄りには丁度良い。ともかくいったん転ぶと起き上がるのが容易でないのだから・・・何年ぶりかでスキーを履いたがまだ腕(足?)は確かだった。最近のスキーは軽く短く先端はスノーボードのように丸い。

リフトの上から見る雪面の木影がきれいだった。特徴ある野うさぎの足跡。茶臼岳や朝日岳の山頂も間近かに望まれた。若い頃スキーをかついで茶臼岳の中腹まで登ったのを懐かしく思い出した。

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by namiheiki | 2005-03-18 09:34 |