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足跡

かみさんの歌がさる新聞の歌壇に掲載された。
    新雪の夜明けの疎林は点々と兎跳ねゆきし凹み新らし  美智子
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画像は那須高原にて '05/02/09
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by namiheiki | 2006-02-25 18:26 |

冬の鹿沢高原と塩田平

2月1日、私の住む大宮から長野新幹線で1時間10分、上田で降りる。迎えのバスで1時間、途中鳥居峠を越えて群馬県に入り、あっと言う間に雪の舞う嬬恋村鹿沢に着いた。
翌朝は晴れた。北向きのこの宿は朝日の射すのが遅い。8時過ぎやっと東の山の背後から朝の光が斜めに射し込んだ。落葉松の梢の霧氷がきれいに浮び上がった。このこんもりした山は村上山と言いこれに登れば浅間山が見えると言う。
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宿の左手の山は陽を正面から受けて輝いていた。名前を聞き漏らしたがこの反対側はスキーゲレンデになっているらしい。ベタ光線だが雪の山はそれなりに威厳がある。
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宿の周りの自然園をラッセル無しで歩ける範囲で歩く。風が吹いて木枝の霧氷が舞った。
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昼になると宿の南側の庇の氷柱から融けた水滴が忙しく降り落ちた。
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午後になって北の雲が上がり遠く草津、万座、志賀の山々が望めた。横手山が一際白く見えた。頂上のアンテナ塔が懐かしい。あの山にはその昔スキーツアーで何度も登った思い出がある。あのアンテナは50年も前からあそこにあった。
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北西の雲が切れて白い四阿山が間近に見えた。その左肩に根子岳も少しだけ顔を出している。あの辺りはよくスキーに行った菅平高原、スキーの手ほどきを受けた場所でもある。
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翌朝は朝焼けがきれいだった。嬬恋村に陽が射し込み夜が明けた。背後に遠く草津や志賀の山々が姿を見せた。ゲレンデの見えるのが本白根山である。
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天気は下り坂、昼前に山を降りた。上田駅から上田電鉄別所線の電車に乗った。かねてから訪れたいと思っていた無言館が目的だった。塩田町で電車を降りる。無人駅を出るとタクシーが一台人待ち顔に止っていた。私達が歩き出すとタクシーは私達を追い抜いて走り去った。電車を降りたのは私達だけだったのだ。小さな町を抜け広がる田畑の中を南に向うこと40分、山裾の小高い丘の上に無言館はあった。
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無言館「戦没画学生慰霊美術館」は中世の僧院を思わせるような窓も装飾も殆んど無い建物だった。コンクリート打ち放しの壁に無言館の文字が刻まれていた。人ひとりが通れる小さな
木の扉を開けると受付もなくいきなり暗い館内だった。60年前のあの忌まわしい戦争で夭折した若い画学生の作品や遺品が展示されていた。妻や家族を画いた絵に託した彼らのぎりぎりの想いが伝わって胸が詰まった。暖房も無い館内はシンとして声も無く重い雰囲気だった。数人の来館者がいたが殆んどが私達より上と思われる年配の方々だった。「また来よう」と隣に立ったご婦人が呟いた。出口に若者が一人座っていた。志をドネートして外へ出た。山から吹き降ろす冷たい風が私達に吹きつけた。翳った空から雪も舞って来た。とうとうこの日も浅間は姿を見せなかった。
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by namiheiki | 2006-02-19 16:43 |