奥日光・冬の一日

標高千五百メートル、四季それぞれに美しい奥日光だが冬は静かで人が少ないのが何よりだ。昔は日帰りでクロスカントリースキーを楽しんだりしたものだが今はゆっくりと温泉と散策を楽しむ。朝だけは日の出前に起き出して雪に足を取られながら湯の湖の湖畔に出る。1月の末というのに今年は暖冬で気温も比較的高く雪も少なかった。でもそれなりに静かな雪景色を楽しむことが出来た。日は男体山から昇り白根山に沈む。湯の湖周辺の夜明けから日没までの一日を映像に記録した。


未明の湯の湖北岸、僅かに風が吹き湖面に漣が立った。時折水鳥の鳴き声だけがしじまを破る。暖冬の今年は凍らぬ湖面が広い。
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湖面の靄、湯の湧く北岸の一角は例年冬も凍ることはない。
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モルゲンロート、真っ先に金精山が朝日を浴びて輝いた。左側は前白根山。
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氷の融けた湖面に映る茜雲
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湯の湖南岸、湯滝の降り口に架かる橋より北を見る。湖水はこの背後から湯滝となって戦場ヶ原に一気に流れ下る。水の流れのためにここも凍らない。
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湖面にひとつがいの色鮮やかなマガモが泳いでいた。
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湖岸のカラマツ林、雪面に伸びた影が美しい。
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葦原の枯れ色と雪面の樹の影と美しいハーモニーを奏でていた。
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長く伸びた山腹のダケカンバの影
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白根山に落ちる夕陽を浴びる男体山と日が翳って暮色迫る湯の湖
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山の端に小さな飛行機雲が・・
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振り向くと北東の空に満月に近い夕月が赤い雲に見え隠れしていた。
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Nikon D70, AF-S VR Nikkor 18-200mm
(一部は2月1,2,3日の「季節の窓」に載せました)

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# by namiheiki | 2007-03-15 16:08 |

水のミラクル

水は鏡である。いろんな物を映して見せる。でもその表面は単純ではない。ある時は鏡のように平らであるが風や流れ、さらにそこに住む生物によって千変万化に変身する。だから水に映る景色は実の世界と違って空想と変化に富んでいる。身の回りには川、池、田がある。雨の後には水溜りも出来る。誰でも無意識に水の入った写真を撮っているが意識して水を見るとちょっと違った風景が現れて来る。池、田、川、水溜りと分けてその効用を見てみよう。



土手道
あれ、写真が逆さま?と思うほど水面が滑らかである。ここは川の水位調整池で土手に囲まれた低い位置にあるので水面は静かな事が多い。この日の夕暮れは好天で雲も少なく夕焼けは今ひとつ物足りなかった。でも池に目を転じると池に映る土手の上の人影が童話の絵のように夢を誘った。思い切って現実はまったく無視して池に映る像だけで構成した。この写真をブログに載せたら「天に向って落ちて行く」という言葉を引用したコメントがあった。そんな吸い込まれるような感覚を誘う画面である。写真の成否は人影で決まる。右端の犬を散歩させる人影は嵌め込みであることを白状しておく。勿論同じ時に撮った数枚から転用ではあるが。
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土手道(2)
同じ場所での撮影であるが、こちらは現実と水面の像を上下対称的に配置している。こうする事でより写実的になったように思う。いずれの場合も左端の小さな葦の影がアクセントになって直線的な構成から来る単調を補っている。
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釣り人
これも同じ場所でのショットである。主題は夕焼け雲にあるが、釣り人のシルエットを持ち込むことで生活感が吹き込まれた。釣り糸による水面の輪が画面に動きを与えている。
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嵐の後
秋の台風の後はこの調節池はしばしば溢れる川の水を貯めて本来の機能を果たす。この時ならではの光景が現出する。このショットはまだ雨の落ちる水面に穂先だけをのぞかせた葦とカルガモの航跡を主題にした。
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やなぎ
増水した水に没したヤナギのシルエット、何処までが実物で何処からが影なのか区別のつかないところが面白い。黄昏の空のピンクが僅かに水面に映っているのがモノクロームの画面を救っている。画面下の僅かな漣も控え目ながら動きを与えている。
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冬木立
真冬の朝、葉を落としたヤナギとサクラの冬木立が半円の水面に映っている。このように曲線で縁取られると額縁効果で繊細な枝振りが洒落て見える。
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落日
漣による影の形と色の変化もよく取り上げられるテーマである。池に映る赤い夕日の漣による微妙な色の変化が美しい。肉眼で確認し難い色の変化もデジカメのCCDにははっきりと記憶される。輝く遠い水面だけを望遠で切り取ったので現実離れした色調になった。木立の黒い縦の影、水鳥の明るい横の影の織りなす水模様である。
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田で

田植え時
田に水が張られると微生物、プランクトン、昆虫、甲殻類、魚、両生類、鳥など色んな生き物が一斉に活動を始める。田植え時の田は苗と言う模様で彩られたキャンバスである。人の生活も映して暖かく郷愁を感じさせる題材である。
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アメンボ
田の水路、きらめく夏の光、アメンボが水面を自在に滑る。水の表面張力を掴むしなやかな肢。でもその撮影は大変に難しい。水辺で水面近くにカメラを構えて彼らが近寄ってくるのを待つしかない。マクロのAFもなかなか言う事を聞いてくれない。忍耐の要る仕事である。撮影時はアメンボしか見ていなかったが水面の揺らぎ模様がこんなに面白いとは期待していなかった。
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アメンボ(2)
浅い透明な水溜りでは水底に映る水模様が面白かった。アメンボの水を掴む6本の肢の円い影がはっきりと投影されていた。
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川で 

私のフィールドである芝川は流れの滞る場所が多いので基本的には池での撮影と同じである。ただ冬季には水鳥が多い。しかし私の場合、水鳥はむしろ点景として扱うことが多い。水鳥そのものを狙うにはあまりに彼らの生態を知らないし道具や技量も伴わない。


白い夏雲が川面に映っている。ただそれだけだが川の流れと二羽のカルガモの立てる波が動きを表現してくれた。
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こちらは夕焼け雲、画面の端に見える葦の色が秋であることを物語っている。川面に映った赤い色が滲んで絵画的な表現になった。
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オオバン
オオバンはこの辺では真夏を除いて時々見かける。秋、川岸のサクラの紅葉が朝日を受けて水に映っていたが、葦原から泳ぎ出たオオバンの立てる波に揺らいだ。崩れた影の形と色に惹かれた。
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カワセミ
芝川では時々カワセミを見かける。晩夏の夕暮れ時、前を行く散歩の夫婦が指差して教えてくれた。なるほどカワセミの番いが水辺の枯れかけた葦にとまって水面を覗き込んでいた。標準ズームではこれが限界だった。カワセミは小さく入っただけだったが川面に映った雲が情景描写に役立ったように思う。斜めに何本も横切る高圧線の影は邪魔だと思ったのだが、揺らぐその影は画面を引き締めて情景描写に役立ったようだ。写真は素直に撮るものだと思った。
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ハクセキレイ
初冬の芝川、この川中に立つ杭はハクセキレイのお気に入りの場所のようだ。しきりにこの周りをホバリングしている。葦の影と杭の振動で出来る僅かな波を入れてシンプルで爽やかな画面になった。
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越辺川
川越市郊外を流れる越辺川は流れが速いのと小石が多く川底が浅いので何時も漣が立っている。雲からの漏れ日を映した模様ガラスのような川面に思わずカメラを向けた。ちょっと非現実的な面白い風景が出来上がった。
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水溜り

朝の駐車場

近くに川も池も無いという方も居られよう。でも水溜りならアスファルトの上にもある。雨上がりがチャンスである。次のショットはプールの駐車場、朝早くで人も車もいなかった。黄色く色づいた銀杏を撮りたかったが今ひとつ興が湧かない。雨上がりであちこちに小さな水溜りが出来ていた。思い切り近寄ってしゃがみこむと銀杏がきれいに並んで水に映った。アスファルト上の白線も程よいアクセントになって情景描写に役立った。
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これも雨上がりの夕暮れ時、川沿いの土手道でのショットである。雲はきれいだったがまともに撮ったのでは地上部はシルエットになる。小さな水溜りに顔を寄せると水溜りとは思えぬ大きな空が見えた。
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朝の散歩道
川霧の立ち込めた朝の土手道を散歩する人影、ここでは土手道のいくつもの水溜りがアクセントをつけてくれた。
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これでお分かりのように水溜りは雨上がりがキーワードである。でもそれだけではない、雨上がりは木や草や花に潤いと輝きを与えてくれることはご存知の通りである。

最後に大変類型的、古典的になるが水に映る初夏の花の写真をお目にかけよう。

ノイバラ
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ミズバショウ
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奇跡の物質、水の創出する美しさには何時も感動する。あらためて水の惑星、地球に生を受けた事に感謝せずにはいられない。
  
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# by namiheiki | 2006-12-19 22:10 | デジカメ談義

鞍馬、貴船を歩く

9月22日、洛北、鞍馬寺から奥の院を経て貴船神社へと山道を辿った。全長2キロそこそこ、標高差240メートルで年寄りにも軽いハイキングコースである。夏が終わり紅葉には間があるという時期でシーズンのような喧騒はなかった。勿論神社仏閣には見るべきものがあったが、ここでは自然の木や野草について記載することにする。
皮肉なことにここに示す野草の大部分はコースの終点貴船神社から貴船川に沿って叡山電鉄鞍馬線の貴船口に下る約2キロのバス道路沿いで出合った。バスに乗れば10分もかからずに通り過ぎてしまうところである。たまたまバスの出発時刻までに間があって歩いたのが幸いした。

鞍馬山で

鞍馬寺金堂前のヤマハギ
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山道で見かけたフシグロセンノウ
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奥の院近くの木の根道
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奥の院近くの杉木立
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山を下った所で見かけたヤブミョウガ
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貴船で
貴船川に架かる桟敷席で昼食の蕎麦をとる。この辺りモミジが多くシーズンの紅葉は見事だろう。
貴船神社参道のシュウカイドウ。 シュウメイギクはまだ蕾だった。
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貴船川の流れとイタドリ
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アカソ
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ハナタデ 小さな花はルーペがなければ見ることが出来ない。
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ハグロソウ
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スズカアザミ
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スズムシバナ かなりの数の群生だった。なるほど何となくスズムシが翅を広げた姿に似ている。
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ツリフネソウ
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ゲンノショウコ(白花)
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ゲンノショウコ(赤花)
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所変われば草花も変わる。アカソ、ハグロソウ、スズカアザミ、スズムシバナは初めて出合った(あるいは初めて写真を撮った)私にとっては珍しい花達だった。
貴船口で電車に乗った。切符売り場も無く改札口も無いので無人駅かと思ったら電車の到着時間になると駅員が現れ切符を売ってくれた。それからホームの待合室から重そうな自動改札機をよっこらさと引っ張り出してこれに切符を通せと言う。奇妙な光景だった。シーズンオフは乗客も少ないからこんな可笑しなことがある。
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# by namiheiki | 2006-10-05 18:10 |